26BYということです。
9年間の熟成期間を経て、この度出荷されました。




艶のあるやや黄色、ほんのり熟成の香りと
やや甘い落ち着きのある香り、含むと米の旨みが
たっぷり感じられます。
心地よい旨みがゆっくりと広がる。
いい感じに酸があり、キレの良さを引き出しています。
山廃仕込みですが、山廃特有の香りや
味わいがあまり強くありません。

26BY・・・
酒造年度　BreweryYearの略で　BYとなります。
日本酒(製造)業界では、7月1日を初日とし翌6月30日までを
「酒造年度」という呼び名で期間区分致します。
英名ではBrewery Year(ブリュワリーイヤー。略称BY)と呼び、
その表記が日本酒のラベルやボトルに記載されたりする
機会がふえております。
よって26BYとは、平成26年7月1日から
平成27年6月30日の間に造られた日本酒であります。

山廃仕込（やまはいしこみ ）・・・
単に山廃とも言われ、生酛系（きもとけい）に属する
日本酒の製法の一つであります。
「山卸廃止酛（やまおろしはいしもと）」が正式名称で、
その酛で醸造した酒のことも一般に
「山廃（仕込み）」と呼びます。

山卸（やまおろし）とは、蒸した米、麹、水を混ぜ
粥状になるまで擦り潰す工程のことです。
明治以前の酒造りが近代化になる前は、
精米は水車で行なわれ、半切り桶の中に
蒸米と水を入れ、櫂棒（かいぼう）で
丹念に擦り潰すという重労働でした。
明治以降、産業革命の波が次第に
日本酒の醸造業にも及んで、
精米はある程度まで機械で行なえるようになると、
これにともなって麹の酵素が
白米に吸収されるようになり、
蒸米をつぶす山卸という作業は
必ずしも必要ではなくなり
廃止されるようになりました。

山廃仕込は、空気中の乳酸菌などを取り込んで、
有害な雑菌を死滅させ自然のままに優良酵母を
培養・育成する醸造方法です。
酒母造りの期間も、速醸酛より約2倍以上かかり、
通常30日間程度の日数を必要として、
温度管理も５℃以下の低温管理を必要とし
大変手間の掛かる醸造方法です。

原料米：八反錦
精米歩合：65％
アルコール度数：16度
日本酒度：+3　　酸度：2.3　　アミノ酸度：1.4


三重県伊賀市　中井酒造場
創業：1898年（明治30年）
年間生産量80石（1800ml換算8000本）
現在４代目の蔵元兼杜氏である
中井昌平さんは、1971年生まれの
元プロボクサー、そして現在も
伊賀上野ボクシング代表という
ボクシング指導にあたる
異色の経歴を持つ杜氏です。